涅槃岳・地蔵岳(大峰) – 池郷林道から天狗の稽古場をピストン
レジャー概要
メンバー
とにかく長い池郷林道
こんにちはtamuraです。
今回は池郷林道から涅槃岳と地蔵岳に行ってきました。南奥駆道でも、地蔵岳や涅槃岳って本当に行きにくい場所にあり、縦走でしか来ることのないような秘境の山で興味があったのです。
池郷林道は途中から通行止めとなっているため、そこからスタートします。
全行程の歩行距離が20㎞ほどあり、アップダウンの激しい行程になるため覚悟をしていくハズだったのですが、何かの手違いで前日の夜に弟の引っ越しの手伝いに参加する事となり、終わったのがAM2時半…寝ないで午前3時に同行者の涼さんと合流。寝ずに向かいました。
大丈夫かな?なんて不安でしたが、不安は的中。林道ゲートまで到着したときには眠くて眠くてふらふらでした。
このあたりは写真を撮影した事すら覚えておらず、寝ながら歩いていました。
若干上りぎみの林道で、舗装路ももうボロボロでほぼ未舗装道路のような状態でした。
人って眠りながら登れるんだなと
持経の宿に到着。とにかく長かった…。1時間20分、ボロボロになった林道を歩き続けました。
とりあえず一休憩して、ここから本格的に稜線を歩いていきます。
アップダウンの激しい持経の宿~涅槃岳
持経の宿からの登山道は急坂からスタート。
やっぱり登山道を上ると目も覚めてきて、いつもの調子を取り戻しました。
朝日が気持ちよくて、気温も20度よりちょい下くらいだったと思います。時折ふわっと風が通るので、体に熱がこもることなく歩けました。
宿から標高で言うと200mほど登り最初のピークである阿須迦利岳(あすかりだけ)に到着しました。
特に展望もなにもない山頂ですが、ここから激しいアップダウンが始まります。
さすが仏教の山域という変わった山名ですね。満月さんの阿闍梨餅みたいな名前やな~なんて思っていました
調べてみたら、古代インドの仏教を守護したと言われている、マガダ国マウリヤ朝第三代の王「アショーカ王」(紀元前304-232)に因んでいるのではないでしょうか。
ぐいぐいと下山していきます。
ちょっとした鎖場。ここはちょっと上りにくかったかな。
つぎのピークへの上り。
気持ちのよい尾根になってきました。
証誠無漏岳(しょじょうむろうだけ)に到着。
こちらもなんとも変わった名前で、調べてみた所、「証誠」は仏語で「真実であると証明する事。」、「無漏」も仏語で「煩悩がない、けがれがない」といった意味で、併せ持つと「けがれがない真実を証明する」といったそういう意味…なんじゃないかな?
吉野から大峰山脈を縦走すると、このあたりで心も体もヘトヘトになるでしょう…、そんなときに問いかけられるんですね「もう、けがれはないね?ホンマやね?」と。
僕なら「…はい。」と答えるでしょう。いやー深いね大峰山脈。
どれが涅槃岳かな~。遠い遠い涅槃岳。
再び急な坂を下っていきます。
やっとの思いで涅槃岳に到着。宿から1時間半くらいでした。ここで引き返したとしても良い運動といえるほどなかなかつかれた。
でもここまでは大峰らしさも少なくて帰るのももったいないので大休憩を挟んで地蔵岳、天狗の稽古場まで向かいます。
解放感のある涅槃岳~天狗の稽古場
涅槃岳からの下りは、一見なだらかに見えますが、170mほど下ります。
再び、120mほど登りかえしがあり、あとは小さなアップダウンが続いて地蔵岳に至ります。
距離で言うと宿~涅槃と、涅槃~地蔵は同じくらいですが、時間は涅槃~地蔵は2時間ちょっとかかりました。
少し展望のあけた所からは釈迦ヶ岳が見えていました。
次第に木々が減ってきて解放感のある尾根になってきました。
空が本当に青い。
豪快な倒木。奥に見えるピークは地蔵岳。
滝川辻に到着。十津川方面に下る分岐があります。
巨大な岩が現れました。大きくまいて進むのですが、この上が般若岳。
展望があるかな?と思って登ってみましたが、さほど見えるわけでもなかった。
次第に尾根の木々も減ってきて、展望が見えるようになってきました。
この写真は熊野側の展望。しかしずっと山ですね。
新宮側(南)の展望。
もうすこしでやっと地蔵岳。
振り返ると涅槃岳や八人山群が見えます。
登りきると地蔵岳に到着!こちらも木々が生い茂った山頂。
せっかくなので天狗の稽古場まで行きます。
こちらが天狗の稽古場。なんか言われたら丘の上で天狗が稽古してそうな雰囲気?笑
地蔵岳から下ってすぐの小ピークが天狗の稽古場。
ここまで本当に長かった…。よっしゃー!という嬉しい気持ちとともに押し寄せてくる「これを戻るのか」という不安笑
手違いで寝てませんでしたが、マウンテンズハイなのかこのころは体が絶好調。でも身体というものは正直で、無理をすれば反動がくるもの…。
やっぱり体は疲れているので、ミネラルウォーター(南アルプスの天然水)がいつもと味が違う…。多分、ミネラルとかすごい味わってるんだなって感じでした。う~ん、贅沢。コーヒー以前に水の違いのわかる男になりました。
看板と木。この気がすごく雰囲気が良かった。あと葉っぱの色がすごく綺麗な緑で、写真は色を加工してますがそれ以上に綺麗な緑でした。
同行者の涼さんがいつも撮影しているお気に入りの人形を借りて撮影。
ヤマノススメというアニメに出てくるキャラクターだそうです。
こちらは同行者の涼さん。ごはんを食べて、小一時間ほどゆっくりしてから下山する事に。
ピストンで下山。やっぱりしんどかった
さて、小一時間ほどゆっくりしていたら、その一時間で温度がちょっと上がったような気がしました。
下界(京都)では今日の気温は35度にもなっていたそうです。大峰はまだ涼しいとは言え、やっぱり直射日光にあたると熱中症を気を付けなければいけない感じです。
稽古場で展望を撮影する涼さん。
僕も稽古場からの東側の展望を撮影。
稽古場自体はそんなに展望があるというわけではなく、これくらいです。ただとても雰囲気の良い場所でした。
地蔵岳からの下り。倒木が多く、大峰らしい景色です。ちなみに写真一番左側にあるピークが涅槃岳。
帰りは地蔵岳~涅槃岳は1時間ほどで到着。しかし、そこから宿までが本格的なアップダウンのため、これだけ歩いた後の上り返しはかなりきつかった。
やっとの思いで宿に到着。
山道だけでもかなりの距離ですが、本当に怖いのは、ここからの林道。朝はものすごく時間のかかった林道ですが、帰りもやっぱり長い…。結局林道も1時間10分かかりました。
やっとの思いで下山。帰りに「石ヤ塔」の展望所から撮影しました。
林道一つとっても、バカにできない展望があるのが大峰。中国の仙人がいそうな、ドラゴンボールで出てくる山のような?迫力のある岩稜でした。
感想・まとめ
大峰は奥がけ道を縦走したいというのが一番の夢ですが、現実的に気力と体力と時間とお金がないのでなかなか行くタイミングがありません。ただメインの主峰たちだけは登っておきたいという事で、涅槃岳や地蔵岳あたりはどうしてもいつか行きたいと気になっていたので、とても良い機会でした。
池郷林道はゲートまでは舗装がされているものの、落石がひどく時折車をおりて枯れ木や大きな岩をどかしながら進むほどでした。ゲートからは残りの長い林道を尾根取り付きまで歩くのですが、これが非常に足場も悪く長い。同じような景色の道をいつつくねんという感じでひたすら歩き続けました。
宿から天狗の稽古場は、もはやプチ縦走といった感じで、いくつものピークを越えてアップダウンのある道なので、林道終点の稜線から登山開始したものの結局、累計標高差が1600くらいあったんじゃないかな?
さすがにこんな山までくると、累計10時間以上歩いていたのですが、一日で誰一人としてすれ違いませんでした。土曜日でしかもこんなに天気が良いのに…。携帯の電波も全行程ほぼほぼつながらず圏外。最近は電波のつながる山が多い中で、ここでは繋がったら奇跡といった感じ。これぞ本当の秘境なんやなと逆に感動しました。
やはり釈迦以南は標高がどんどん下がっていくので、1500mを超える大峰の山々らしさは薄まっている山域ですが、それでもここでしか見れないような大峰の展望もありましたし、解放感のある尾根を歩けたので良い山行になりました。