五色園 – 親鸞のエピソードを表現した浅野祥雲のコンクリ像群に圧巻
レジャー概要
凛とした表情のリアル軍人像が立ち並ぶ中之院[愛知・知多]
愛知県日進市にある日本で唯一の宗教公園「五色園」にやってきました。
宗教公園が珍スポット?という感じですが、五色園の園内各所のあちらこちらにコンクリート塑像で有名な浅野祥雲氏の作品が計100体以上も立ち並ぶパラダイスなのです。
開園時間は朝の8時。開園と同時にやってきました。天気が良く初夏の涼しい朝です。
入り口にはゲートがあり、料金所のようですが五色園の入園は無料です。
入る前に五色園の園内図をおさらいしておきましょう。
とにかく広く、この園内図を見ておかないと人形をスルーしてしまうかも?
園内の石像は浄土真宗の開祖”親鸞”の生涯のエピソードを再現しています。
入ってすぐの場所にあるのがこの「月見の宴」。
親鸞は京都の日野にある法界寺のほとりで貴族の息子として誕生しました。2歳になるまで一言も喋らなかったそうなのですが、そんな8月の十五夜に行われた「月見の宴」にて手を合わせ「なみあむだぶつ」と唱えたといいます。
父・藤原有範の膝で手を合わせています。桃太郎神社の桃太郎に似てる?笑
そうですこの顔!祥雲氏の伊吹を感じられます。
お母様でしょうか。指太ッ!
びっくり顔のお爺さん。
「信行両座」親鸞がお師匠様(法然)に許しを得て、400人近くのお坊さんを集め「浄土に生まれる最も大事な因は何か」と訪ねる様子。
念仏を唱える事「行不退の座」と、本願を信じる事「信不退の座」どちらかに座らせました。
ちなみに親鸞と法然は信不退の座に座られました。
強烈な支線を感じます!
祥雲氏の魅力は桃太郎神社の気弱な鬼のようなユーモアのある顔の他に、このような絶妙な表情が魅力的なんです!
わかるでしょうか、この不気味の谷のギリギリラインを攻めてるこの感じ!
あくまで不気味なんです、でも一般的な像に比べると格段に人間味が有ってリアルなんです。
一人走っている像。これは説明書きから見て熊谷蓮生房かと思われます。遅れてきて急いで信不退の座に座ったといいます。
しかし躍動感のある格好と表情です。
下駄が脱げてしまうほど焦っていたんかな笑
「赤山明神貴婦人解逅」というシーン。
親鸞が26歳の時、都からの帰路、比叡山の麓にある赤山禅院にお参りされました。そんな時、影から美しいこの女性が現れ「比叡山のおまいりをご一緒させてほしい」とお願いします。
比叡山は女人禁制であり、女性は入れない事を説明すると「あらゆる人々を導いて下さい…」と光る玉を取り出し親鸞に渡し姿を消しました。
格好からして、いいところの女性でしょうか。
少し入り口を探すと桜ヶ池という綺麗な池が現れます。
ほとりには竜にのったおっさんが。
南無阿弥陀佛と書かれた布を持つおばあさん。
水のない池を進む船頭さん。
怖い雰囲気の女性。草むらの中で急に現れるのでびびりました。
正面の坊さんは元は刀でももっていたのか、手に穴が開いていますが、今は不自然な格好に。
園内にある大安寺の境内
一際大きな五色園開祖、森夢幻の像。こちらは浅野祥雲氏の作品ではないそうです。
「日野左衛門門前石枕」
ある日、夜中に親鸞が日野左衛門尉頼秋という人物の家に宿を求められますが、心の汚れていた左衛門はそれを追い出していまいます。
その日の夢に観音菩薩が現れ「今門前に阿弥陀如来が居る。今後このような事はないから早く教化を受けなさい。」と言われて飛び起き、外で吹雪の中で石を枕にして念仏を唱える親鸞を家に迎え入れ、追い出した事を詫て、これまでの悪行を全て告白しまし、その日のうちに親鸞の弟子となりました。
吹雪の日の出来事だそうですが、僕が訪れた日は初夏の快晴の日。ぽかぽかでなんか気持ちよさそう。
高台の頂上にある廃墟のような貯水塔?
なんだかいけない光景を目にしてしまいました!
布団?からちょこっとだけ出てる手が可愛らしい
仏さま「ちょっとお待ちを…」
○○「えぇ~い!待てるかぁ!しばきまわしたる!」
なんとなく新喜劇の辻本に似てる気がする。
「日吉丸矢作橋出世の糸口」
日吉丸とは秀吉の幼名で、矢作橋というのは岡崎市を流れる矢作川にかかる橋の名前です。
日吉丸が12歳の頃、奉公先の陶器やから逃げてこの橋の上で寝ていた所、追い剥ぎが通りかかり、日吉丸の頭を蹴ったそうな。
追い剥ぎ相手にそれを咎め、詫ていけ!と迫り、追い剥ぎの頭である小六正勝はこの日吉丸の度胸の大きさを買い手下としたといいます。それが後の秀吉の出世の糸口となったというエピソード。
親鸞は関係ありませんね。
んで、こいつは何をしてんねや。
ただならぬ雰囲気ですね。奥のやつはやる気マンマン
「弁円悔悟」
板敷山での祈祷・待ち伏せに失敗した弁円たちは夜半に稲田の親鸞の草案を襲った。しかし、弁円を迎え入れた親鸞の顔には微笑みがもれ、まるで弁円を包み込むような雰囲気であった。その姿に弁円は、親鸞への敵愾心が跡形もなく消えてしまい、剣を投げ捨て大地にひれ伏し涙を流し「命を狙っておりました私でございます。どうぞこの首を落としてください。」と懺悔します。
親鸞は「仏を拝む念珠は持つが、未だ人を切る刀剣を手にしたことはありません。」といいました。弁円は明法坊という法名を賜り、稲田で聖人のお世話をするようになったというエピソード。
なんて心の広い親鸞。
ひれ伏し懺悔する弁円たち。
見てくださいこの表情。敵意のカケラも感じられません。
こちらも!!なかなかの傑作ですね。
許していただけるのですか?!といった顔です。
やいお前!
ペンキ塗りたてで何かを指す指や表情にもキレがあります。
薙刀のようなものをもったいかついおっさん。これが弁円だそうです。
感想・まとめ
五色園は浅野祥雲の像が見られる三大スポットのうちの一つです。(桃太郎神社、関ヶ原ウォーランド、五色園)
浄土真宗で知られる親鸞ですが、京都に住んでいながらもどんな人なのか全く知りませんでした。五色園ではコンクリ像を使って逸話や偉大さをわかりやすく再現しておりとても勉強になりました。
園内は車移動が可能です。しかし急に現れたりするので狭い道では周囲を良く見ながら安全運転で見て回って下さい。
各所に駐車場が容易されてあり、場所によっては少々歩く事があります。
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