古都コトイメージSmart

2014.11.30

笠置観光ホテル – 霧に包まれた山奥の廃ホテル

笠置観光ホテルの外観

この廃墟について

笠置観光ホテルとは、京都府笠置町にあるホテル跡地。1962年に開業したが、1980年に笠置トンネル開通に伴い、それまでホテル前を通っていた国道が旧道となり、交通業が激減し客足が遠のいた。

1983年、天然温泉を掘削し「笠置大光天温泉」という名称としてリニューアルしたが業績は回復せず、1989~1990年頃に廃業した。途中まで解体工事が入っているが、途中で放棄されコンクリートの基礎のみが残されている。

心霊スポットとして幅広い年代で知られているが、その噂は関西広域圏内で特によく言われる内容のものであり真実味はない。



廢墟レポート vol.14:笠置観光ホテル Kasagi Hotel

 こんにちは、tamuraです。

 今回やってきたのは京都南部にある笠置観光ホテルという廃墟ホテルです。1990年に廃業し解体途中で放棄されました。

 1973年に名古屋駅 – 湊町駅(現難波駅)を結ぶ電車が奈良止まりに変更後、2006年に名古屋駅 – 奈良駅を結ぶ路線も廃止、1987年に国鉄からJRとなった時に電化されたのが一駅大阪よりの加茂駅(大和路快速)までで、それにより笠置駅は都市部からの直通列車がなくなりました。時代の流れから取り残された笠置町への観光客はどんどん激減し、当時の観光施設の多くが閉業へと追い込まれました。笠置観光ホテルもまたその不況に煽られた施設の一つだそうです。

 心霊ホテルとして知られており、TVなどでも取り上げられ関西ではとても有名になりました。主な噂として経営不振に苦しんだオーナーの自殺老婆の霊が出るといったものなど多種多様。どれが噂でどれが真実なのかは分からないほど。

 とまぁ、過去いろいろあった訳ですが、過去にはとらわれない…3歳4か月の時から僕はそう心に決めているので、過去にこの場でどんな事件が起きていようがどうでもいい、今の「笠置観光ホテルという美しい廃墟」を見てほしいので紹介していきます。

 さっそく行ってみると朝はホテルが濃い霧に包まれゲームの中のような幻想的な風景が見れ思っていたよりも全然いい所でした。

 写真は夢中であちこち撮り回ってるうちにどの写真がどの階か忘れたのでバラバラに紹介します。

 入り口が見えてきました。いよいよ潜入です。正直、こういう所に行き慣れてる僕でもオドロオドロしさは体感できました。

 マスクを突き抜けぷ~んと香るコンクリートとカビやホコリの香りを嗅ぐと冒険のスイッチがONになります。

 ここはロビーの跡ですが、コンクリートの土台のみが残っており、床は風化しています。

 ここまで荒らされてしまうと、逆にブロックアートがとてもいい雰囲気を醸し出しています。

 廃墟というより荒廃し治安が悪化したアメリカの地方都市の若い不良のアジトの様な。

 下はトイレがありました。男女トイレ、ちょっと不気味かも?

 他のところに比べ、階段は結構綺麗に残っているんですね、コンクリートってすごい。

 ちょうど紅葉時期で窓から赤い葉を覗かせています。外は霧に包まれ独特な雰囲気が素晴らしい!

 壁一面に描かれたブロックアート、まるでスラム街へ紛れ込んだかのよう。

 ブロックアートの扉。新しい世界へつながってそう?

 倒壊し、吹き抜けになった階段部分。

 高所恐怖症にはちょっときつい。結構高さを感じました。

 若干残ってる階段の手すりの柄がアート。

 こちらは浴槽。しかも壁がない!外はガスに包まれて神秘的な雰囲気になっています。

 解体により窓枠が無いので、フルスクリーンで木津川の紅葉を楽しめます。4Kモニターより迫力があります。

 木津川の対岸にはJR関西本線が走っていて、起きおりガタンガタンと音を立てながら通過します。

 記事の頭でも紹介した通り、国鉄がJRとなってから電化されたのは加茂駅まで。名古屋側も亀山までしか電化されておらず、この亀山駅 – 加茂駅間を走っているのはディーゼル列車(キハ120形気動車)なんです。

 他の浴槽は結構シンプルです。さっきのはVIPルーム用浴槽?

 謎の文章が虫食い状態に。これは!ダイイングメッセージに違いない。

 トイレ。壁だけ解体されており、海外のトイレみたくなってます。

エレベーター

6階建てなのでエレベーターが存在します。ドアがこじ開けられた階もありました。

 客室の一部。

 壁が壊され隣、その隣、そのまた隣の客室まで見えてしまっています。

 こちらは枠組みが残っているお風呂。ここもいい雰囲気。

 ガス栓

 業務用(食事用?)のエレベーターが二機。

 各階こじ開けられてるようで覗きこめます。

 最上階からタンクへ上がる階段。

 最上階からエレベータ横の階段跡地。

 機械室への階段。心霊スポットとしてはこの上が「ヤバイ」と言われてるのだとか。魔法の言葉「ヤバイ」。何がヤバイんだろう。

 最上階のバルコニー!

 この絵気に入った。

 屋上。水が溜まっており奥へはいけない。ガスに包まれ幻想的な雰囲気。

 3時間位撮影していたらいつの間にか晴れてきました。

 朝霧が消え去った瞬間、青空が広がり紅葉の色もより一層綺麗に見えました。

 北側の窓。全部ないなぁ。

 最後に一階を徘徊。非常用出口。

 電源類。

 トイレ跡。

 最後に2階の扉だけ扉が閉まっていて入れなかったので窓ごしに侵入してみました。侵入者が少ないからか他の階より少しは(ほんの少し)保存状態がいい模様。

 朝来るときはまだ5時で周囲は真っ暗やったので気づかなかったがホテルまで向かう道は紅葉がめちゃくちゃ綺麗でした。

 帰るときにはすっかり快晴。

感想・まとめ

 霧に埋もれるホテルは雰囲気が良くてとても神秘的でした。霧に包まれ…なんてタイトルにしながらも、トップ画像は思いっきり蒼い空ですね笑 写真的にはこっちがキレイやったので笑

 夜中は屋上から見える一面の星、朝になると谷も川もホテルも霧が覆って、霧が捌けると紅葉した葉っぱがオレンジに染まりました。

 暗いイメージで廃墟として魅力はないと思っていましたが、荒らされていながらも廃墟として味がでていて何時間居ても撮影が楽しい廃墟でした!

山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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