単眼無影灯の廃医院

廃墟の情報
廢墟レポート vol.85:単眼無影灯の廃医院 Tangan-muei Clinic

こんにちはtamuraです。
今回行ってきたのは中国地方のとある所にある廃医院です。
病院や医院の廃墟と言えば、廃墟の中でも特に好きな人が多いジャンルで、その中でも木造の医院というのは特に価値があるという風潮があり、多くの廃墟マニアが古い医籍録を資料とし旧住所を頼りにGoogleMapと睨めっこし探しています。
実際探してみると、数多くの医院を見るける事が出来るのですが、問題はそこからで、様々な理由からその医院が入る事が出来るのかどうか、または現在人が住んでいるのか、所有者の情報の特定、侵入経路、退路の確保など多くの問題があり、その中でアタリを付けて訪れるという段取りになります。
廃墟を見つけ、実際に撮影に至るまでの過程に多くの段取りを要する事から、新規開拓されるような廃墟活動されてる方の行動力には畏敬の念に堪えません。
僕がこの医院の存在を知ったのは、有名になってからしばらく経ってからの事ですが、写真を見た時はそれはもう是非行ってみたいと感じました。
住宅地の角に木々に阻まれひっそりと佇む廃医院…ロケーションも最高です。

扉を開くと一気にタイムスリップ…。閉院してから長いのか室内は崩壊が酷い。

可愛らしい扇風機。

電話口?おくすり渡す所じゃなく?

長い廊下が一本貫いており、3箇所左右に廊下が伸びており、そこに病室があります。
上空写真で見ると建物が「玉」という漢字に見える事から「玉の字医院」と呼ばれているようです。

なぜか窓に立てかけられた松葉杖。

白い窓に緑の葉がとても似合う…。

窓から注ぐ朝日が心地いい。

木造の建物はこういう埃かぶってふんわり明るくなってる感じが好き。

第五號室。病室は今は物置になっており物が散乱していました。

医療用器具は古くても作りがしっかりしているので見応えがあるものが多い。

中庭。

診察室。カレンダーが1990年までだったので、30年ほど前に閉院したと思われます。

手術用のメスやはさみなどが所狭しと並べられた棚。

古い医療関係の書物や薬瓶など。

机にも様々な医療用器具が並んでいました。

そしてこの医院の最大の見どころがこの手術室。大きな窓と大きな一つ目の無影灯が特徴的です。
分娩台は赤い液体で汚されていました。

真っ白な壁に大きな窓、レトロな無影灯に分娩台などの医療器具、見どころの詰まった部屋です。

どこから撮影しても神秘的で、いろんな角度から撮影してみました。

Z医院や洲原村診療所は建物が洋風で凝った作りでそれはそれで素晴らしいのですが、時代的に無影灯がありません。
無影灯があるだけでこんなにアクセントになるなんて…!

上から見るとただの白い分娩台?手術台?も、下からみるととても複雑な構造になってるんですね~。

顕微鏡と窓にはなぜか肋骨のレントゲン。

さすが分娩室、膣鏡がぽつんと置かれていました。

廃医院でたまに見るこの機械。

手術室の横の部屋。

平成も終わろうとしてる今、まだこういう医院がまだ日本中に眠ってるんだもんな…。
見つけないと見ることのできない魅惑の医院でした。
感想・まとめ





真っ白な部屋にあのレトロな無影灯と分娩台というのがとても良かったですよね。

いたずらされて残念という声もありますけど、廃墟を楽しんでたらこういうのもつきものだし、変化に大してゴチャゴチャ言うのは違うと思うんですよ。
自分でいたずらは絶対しませんが、誰かがやったなら仕方ない。受け入れて良いように解釈しないとね。

見れなかったから悔しい…それはオカシイ!と笑

起源、繁栄、衰退、崩壊…廃墟はその衰退と崩壊の間の「忘れられた期間」というだけで、人はナゼかそこに不思議な価値観を見出していますよネ?
でもそれだけが魅力じゃなくて、起源から崩壊までの一連の流れこそが美しいのですよ。

たしかに訪れて見る感じる事によって感動はありますが、解体されたら素直に終焉に対して賛称しなければいけないんです。
僕が文句言うとしたら、それは時間が戻った時です!

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