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ナイトハイクのすゝめと注意点

ナイトハイキングとは

こんばんわ、ナイトハイカーのtamuraと申します。

私は趣味で、京都を中心に関西・西日本の展望の開けた山に「ナイトハイク」をし、夜景を見る・撮影するといった活動を行っています。

ナイトハイクとは、夜間登山・ナイトハイキングとも言い、夜の山でライト片手にハイキングする事をいいます。目的は様々で、夜景を見る為や、星を見る為、夜の涼しい山でトレランを行う為、夜の暗闇が好きで彷徨う為など色々です。

夜景はビルから見るものや、車で行ける所から見るものなど沢山存在しますが、観光地化されていない山奥から見る夜景はとても新鮮味があります。

今まで見たことのない夜景が見れる、達成感がある、人が居ないなど、沢山のメリットがありますが、夜に山を登るという事にはリスクがあります。安全なナイトハイクを行うには正しい知識と、道具を揃え行う必要があります。

このページでは主に、夜景を見る為のナイトハイクについて説明していますが、他の目的のナイトハイクでも注意点は共通しています。

夜の山は怖くない?

お問い合わせ内容や、他人に話すと一番よくある反応が「夜の山は怖くないの?」という内容です。怖くないの?最初は僕もビクビクで山に登っていたのを覚えています。ただ、さすがにもう慣れました

夜の山で最も恐れるべき事は、暗闇や雰囲気ではなく、道に迷ってしまう事です。

暗闇の雰囲気、足場の悪さ、視界の悪さに動じることなく目的地に到着し、無事に下山をしなければなりません。そのためにはしっかり計画を立てて、昼の登山でルートを確認しておくことが重要です。

ナイトハイキングを行うための必要な準備、下調べなど知識があれば怖くありません。知らない事こそが恐怖の原因となるので、ナイトハイキングを始めようと思う方はナイトハイキングについて、また山について十分に知識を深めて挑戦して頂きたいと思います。

持ち物について

・登山靴や登山服、リュック(山用の装備で)
・ライト(明るく電池の持ちがよいもの)
・予備ライトと、予備の替えの電池
・GPS機(スマホで代用可、スマホのモバイルバッテリー)
・カメラと三脚
・水分
・上着
・非常用行動食
・(ツェルト)

ナイトハイクにあったって、持ち物は昼間の登山に通ずるものがありますが、靴は夜間は足元が良く見えずつまずく事がよくありますのでちゃんとした登山靴が必要です。細い道で足元がふらついたりしては危険ですし、実際に滑落したなどという事例もあります。

ライトについて、明るい事はもちろん重要ですが、100ルーメン程度あれば問題はありません。必要以上に明るいライトは電池もちが悪いこともあるので注意です。また毎回電池残量確認されてますでしょうか。久々に持ち出すライトなんてどれくらい量が入ってるのか分かりません。予備の電池は必ず用意しておきましょう。真っ暗な登山道で電池が切れたら場所によっては遭難です。

服装については夏はお好きな動きやすい格好で問題ありませんが、秋~春にかけて夜間の冷え込みが予想される時期では注意が必要です。車から降りてすぐは寒い時も歩いていると体があったまります。その為、何重かに重ね着になると思いますが、暑くなったら上着をしまえる大きさのリュックで行くと便利です。

撮影の場合は三脚はリュックの横に付けるとある程度の大きさの三脚なら持って行けますが、カバーはあるとしまいにくいのでカバー無しで、雲台が重いので下方向、足を上方向にした方が肩を痛めにくいです。また、荷物を軽くしたいからという理由で安く軽い三脚を持っていくと、山は風が強い事がよくあるのでうまく撮れません。三脚は重くてもきちんとしたものがお勧めします。

夜間登山は周囲が暗く自分がいまどこを歩いてるのか把握しにくいという特徴があります。GPS機は持っていきましょう。GPS機がないなら今のスマホはGPSが標準装備されているのでスマホでも十分使えます。またgooglemapなどでは正確な情報を知る事ができませんので、地理院地図など等高線の入った地図を元に現在地表示してくれるGPSアプリをダウンロードしてで使用しましょう。

水分について、数十分の登山とはいえ結構なペースで歩くとドっと汗を書きます。水分については十分な量を持っていく事をお勧めします。

また春先や夏場などは山へ入ったら持ちやすく綺麗な木の枝を拾うと便利です。マイナーな道はよく蜘蛛の巣が張っている事があります。木の枝などでぐるぐると巻いて蜘蛛の巣を排除しましょう。

ナイトハイキングならではの危険もある

ナイトハイキングは冒険のように楽しく絶景にも感動できますが、夜の山には視界の狭さによる危険や、低山里山のマイナーな山は整備が行き届いてない場合もあります。このページでこれから書く注意点ももちろん重要ですが、一番は行かれるご自身でその山について詳しく調べましょう。

道迷いには要注意

平成30年の全国の遭難を態様別にみてみると、道迷いが37.9%を占めており最も多いという結果となっています。例年道迷いでの遭難が最も多いという結果となっております。でもこれは全国の有名な山を含めた数字です。

実は、夜景の為に訪れるような都市近郊の里山の場合の道迷い遭難の割合は60%以上と一気に跳ね上がります。道迷い遭難は都市近郊の低山エリアで最も発生しているという事を覚えておいてください。

現在はナイトハイク人口は少ないので目立った遭難事例は無いのですが、登山初心者が気軽な気持ちで軽装備で知識もなくナイトハイキングを行った場合は、より道迷いの危険が増大する事になります。

夜に山へ行く場合に最も重要な事はその目的地までのルート確認です。気を付けていただきたいのは標識や分岐の見落としです。夜の山は夜ですからなんたって視界が悪いです。たとえ1万円のライトを使用した所で昼間のような明るさになる訳ではありません。

昼の山では稜線が見えたり谷が見えたり、地図と周囲の景色をコンパス・高度計と照らし合わしたりできますが、夜はそういった事が出来ない為、どうしても標識やGPS、また昼間に登った時の記憶などに頼るしかありません。

一度道を間違ってしまった時は、わかる所まで一度戻らなければならない事は登山の鉄則です。GPSも細かい所までルートが書いてないかもしれません。前方をしっかりライトで照らし標識や分岐がないか注意しながら進みましょう。

基本はピストン(行きと同じルートで下山する)が確実で安全です。また明るい時間帯での予習として登山しておく事。山によっては近道や楽な道など数ルートがある場合がありますがあなたの山行のレベルに合わせて選びましょう。昼間に一度通った事がある道でも夜になると景色はガラッと変わります。まずはルートを見失わない事、遭難しない事が大事です。その為には常に焦らず冷静に行動する必要があります。

恐怖や緊張を感じると人は脳内ホルモンであるノルアドレナリンを分泌するので、脳は生き延びる為に集中力をフル稼働させますが、「冷静に考える能力・判断する能力」が著しく低下します。とりあえず下ってみよう…などという楽観的な行為は、正常な判断が出来ていない証拠です。

アドレナリンの分泌が始まれば、脳だけでなく身体も臨戦態勢に入る為、焦りからか無理をしてケガをしがちです。また平常心を保とうとセロトニンというホルモンが分泌されますが、極度の緊張状態においてこのホルモンが過剰に分泌されると過呼吸になります。

このノルアドレナリン(闘争・逃走ホルモン)とセロトニン(中和や呼吸のホルモン)のバランスが崩れた状態を「パニック障害」と言います。強い不安や恐怖感を感じ、息が荒くなり、そういった自分の体の状態からさらに不安が増してきます。

このパニック障害は、脳の一時的なオーバーヒートなので2~30分ほどすると徐々に収まってきます。焦る気持ちは分かりますが、その数十分を危機回避の為の作戦計画時間にあててみてもよいでしょう。

・あれ?と思ったら「元来た道を分かる所まで引き返す」事が鉄則
・引き返すコスト(しんどいけど同じ道を戻るコストをとって確実な道に出る事)と、「このまま行ってしまえ」とカケにでて最悪の結果を引き起こした場合にかかるコストを正当に評価する事
・「この道はおかしいな」と感じたら「もう少し行ってみよう」と進まず、その場に立ち止まって戻るべきか決断する事
・昼間に行き来した事がある山をナイトハイキングに選ぶ事
・万が一迷った場合、絶対に無理して飛び降りたり危険な行為はしない。(ケガしたらあらゆる機会を失う。動転している時こそ安全に注意を払う)
・スマホのGPSを使う場合は機内モードなどを設定し出来るだけ省エネで。地図はあらかじめダウンロートしたものを使用する。
・インターネットの情報(当サイトも含む)は鵜呑みにせず、できれば登山雑誌等でプロの書いた注意事項も目を通す事

あれ?と思った時が、引き返すチャンス。ただし、夜の景色に見慣れていなくて、やっぱり合ってた!という場合もあるので、ちゃんと地図を見て本当に正しい所を歩いているのか確認しながら歩いて下さい!。

もちろん迷わないように注意を払って歩く事が大切ですが、人間間違いをしてしまう生き物です。間違いをしてしまった時に、対処できる状況を作っておくことが重要です。最低でも地図・コンパスを持つこと。

出来れば(これも絶対と言ってもいいけど)GPSは活用しましょう。もちろん過信は禁物です。

あと、良くある遭難事例ですが、リーダーだけがルートを知っていて後のメンバーはついていくだけ…というのはメンバ-がはぐれてしまった場合、危険な状態にさらされる事になります。

リーダー、引率者は参加者全ての人を無事下山させる事が義務です。そのためにはリーダーの意識だけでなく、参加者の安全意識と知識も必要です。事前に知識や情報の提供をしてあげる事が重要です。

動物には遭遇したくない

山で一番怖いのは動物と遭難です。夜の山にはどんな動物が出てくるか分かりません。一度六甲山でイノシシに軽く頭突きされた事があります。イノシシは興奮していると突進してきますし、猿も襲い掛かってきます。奥でシカが突然登山道を横切ったり、森の中で謎の小さい動物の目が光っていたり。動物の気配を感じたらまずは止って様子を伺ってみましょう。ほとんどの場合は動物側から飛ぶように逃げていきますが、動物が唸っていたり興奮している場合などは引き返す事が一番安全です。

特に熊には出くわしたくないですね。クマは朝方や夕方に活発に活動します。特にトワイライト夜景を目的をする夜景ナイトハイカーは危ないです。基本、クマよけの鈴を付けていたり、携帯で音楽、ラジオを鳴らしておけば会う事はほとんどないと思いますが、万が一であってしまった場合は、走って逃げてはいけません。逃げるものを追いかける習性がある上にメチャクチャ足が早いです。追いかけられたら100%逃げれません。遠くでであってしまった場合は、走らず背中を見せずにそーっと引き返してください。小熊がいたら近くに親熊がいるというサインです。真っ先に警戒し、親熊に出会う前に下山しましょう。

万が一至近距離でバッタリ遭遇してしまったらとりあえず動かずじっくり後退、襲ってきたらうつ伏せになり両手で後頭部・首を抑えて急所を隠します。

住宅街にある登山口には注意

里山などは住宅街の角に登山口があったりします。当たり前ですが私有地に無断駐車してはいけませんし、近隣住民の邪魔になる所に駐車する訳にはいきません。GoogleMapなどで駐車場所があるか確認しましょう。

また、夜山へ入っていく人を見て普通の人はどう思うでしょうか?自殺?不法投棄などの犯罪?と勘違いされて通報されてしまっては面倒です。近隣住民に迷惑・心配をかけないようにしたい所です。

ナイトハイキングってやってもいいの?

しばしば、ナイトハイキングは合法ですか?という連絡を頂く事があるのですが、日本の憲法ではナイトハイキングを規制する事は不可能です。

皆が当たり前にしている登山というのは、国の国有地であったり、企業や個人の所有する私有地を歩く行為です。日本中どんな山の奥でも、人類未踏の地がこの日本にあったとしてもその土地には誰か所有が存在しており、登山をするという行為はそういった国有地・私有地に無断で侵入する事になります。

しかし、日本国憲法第十三条において「誰もが生まれながらに自由である」事を保証しており、登山もそのような自由の一つとして補償されています。

住宅地の裏にあるような裏山は夜間に入るのは気が引けるような所もありますが、そういった所も自由に入る事が出来ます。

<第十三条>すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

「自由及び幸福追求」の権利が日本国民にある以上、登山・ナイトハイキングといった国民の行動が国や行政に妨げられることはありません。

また、憲法上、国民の自由の制限は最小限でなければならず、制限をかけるには合理的な理由が必要となります。

ナイトハイキングと一言で言っても、夜景を見る為に里山に登る行為だけではなく、例えば目的地の山頂で日の出を見るために夜明け前に出発する場合もあります。アルプスでは午前中に山頂に到着する事が鉄則となっているので、山によっては日の出前に出発するパターンも多くあります。そのほか、何かしらの理由で本来の下山時刻を大幅に過ぎて日没してしまった場合、道ははっきりしていて道迷いしている訳ではないのに日没後は移動してはいけないという事は不自然です。時には夜間の行動が必要な時もあります。

夜景を見る為のナイトハイキングも、朝日を見る為のナイトハイキングも、緊急時のナイトハイキングも、全て広義では同じナイトハイキングであり、これらの行為を禁止する行為は「過剰な制限」となり、憲法や法律で規制する事はできません。

これらを理由に、ナイトハイキングは特に規制の対象ではないので問題ありません。

そのほか、犯罪行為/不法投棄/ナイトハイキング中に、他人の生命、身体、財産に損害を与える行為/ナイトハイキング中に環境保護の観点から植物の採取を禁じられている地区において植物を採取する行為/ナイトハイキングツアー中に引率者が客などへの安全の注意義務を怠る事、等々、何かしら事故が発生した場合においては法律に基づいて責任問題が解決される事になります。

また、ナイトハイキングは視界が悪かったり、夜行性の動物との遭遇等々、本来の登山より注意して望まなければ、万が一の時に多くの方に迷惑をかけてしまうという事を頭に入れておかなければなりません。

ナイトハイキングも登山も、極端に言えば日常生活や車の運転においてもそうですが、無事に出かけて無事に帰る事が出来さえすれば、法律によって裁かれる事や刑事問題・責任問題に発展する事がないように、ナイトハイキングに必要な装備をしっかり持ち、知識を持ち、同行者にもそれらを呼びかけ、安全にそれを行わなければならない事を肝に銘じる必要があります。

夜景を見ながらの食事は格別

ナイトハイキングに慣れてきたら、夜の山を存分に楽しんでいきましょう。やはり夜景を見ながらの食事は最高です。我々は外で食事をしたり談笑したりする事をナイトアウトドア、略してナイトドアと言っています。

夜景に使用する三脚を利用してランタンを吊り明かりにし、ガズバーナーなどを使用して鍋やステーキ、ラーメンなど、これは一人でも十分楽しめますし、仲間が居れば最高です。

お勧めは夜景があまり派手ではなく、椅子テーブルのある所。あまり夜景がどデカく見えて迫力もあってと派手すぎると食事も落ち着きません。遠くに町の明かりが見え高度感がある感じがちょうどいいのです。


ナイトハイクはマナーを守り、しっかりと知識を持って行ってください。

まとめ

ナイトハイキングは夜景や星が見れてとても登りがいがありますが、夜ならではの危険な部分もあります。出発の前には家に「○○山をどこどこの登山口から登ってくる。○○時帰宅予定」とメモを残しておくと万が一の時に役にたちます。

当たり前の事ですが、登山道や展望台でゴミを捨てたりは絶対にしてはいけません。山頂でカップラーメンやごはんを食べたりコーヒー飲んだりすると結構ゴミが出て持ち帰るのがついつい面倒になる事がありますが必ず持ち帰りましょう。

ナイトハイクで見つけた夜景は誰も見に行ってない特別なものです。数々のすごい夜景を見てきましたが「光量×放射状や線のある街並み×18度前後の町までの角度=迫力」これに当てはまる迫力夜景は間違いなく三大夜景レベルかそれ以上のものでしょう。僕は大阪のぼくらの広場が日本一の夜景スポットだと思っていますが、いつかそれを超える夜景があるなら見てみたいです。


山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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