蔦ノ病院 – 緑に覆われた神秘の廃病院

廃墟の情報
廢墟レポート vol.143:蔦ノ病院 Abandoned Navy Hospital

こんにちはtamuraです☆
まだ薄暗い早朝にホテルを出発し、我々が向かったのは海の近くにある病院の廃墟です。
到着した頃には既に空は明るくなり、夏でしたが涼しい空気が心地よく、草むらのどこに隠れているのかチュンチュンと可愛らしい鳥の鳴き声が鳴り響いていました。
この医院は1932年(大正12年)に海軍病院として建設されました。第一次世界大戦が終結して数年後で、ちょうど関東大震災のあった年ですね。
第二次世界大戦時はこの病院は多いに利用され、戦争で負傷した兵士たちがここで療養していたのでしょう。終戦(昭和20年)と共に海軍病院から国立病院となりました。
数年前に再利用の計画が打ち出されましたが頓挫し、現在は忘れ去られたように、蔦の中に紛れひっそりと佇んでいます。

中に入ってみると、洋館のような可愛らしい建築でした。
大正期に建設された病棟という事で、ハイカラな大正ロマンの空間が広がっています。
受付?らしき所と、トイレ。
白と淡い緑というコントラストや、重厚なデザイン・色のの階段が大正らしいロマンチックな雰囲気を醸し出しています。

記録処理室という部屋。
残念ながら、残留物がほぼなく、綺麗に整理されてしまっている模様。
ドアのデザインは今まであまり見たことのないものでしたが、これはこれで幾何学的で心地よいデザインです。

階段下の小部屋。

階段の窓は蔦に覆われていて、神秘的でした。

まるで廃校の踊り場のようですね。
長い間放置されていたのでしょう。
我々だけが取り残された閉鎖空間…。

ギシ…ギシ…と鳴る木造の階段を上がると、椅子が置かれていました。
突拍子もなく置かれた椅子は、構図の為、またはポートレートの為に置かれたものかピトレスクな配置はストーリー性がありました。

言葉にならない素敵な景色です。

天井の支えの部分でしょうか、円形にくりぬかれたラインがおしゃれですね。
木製のがっしりとしたサッシも特徴的です。
ここが病院として使われていた頃の風景が見てみたいですね。

こちらは反対側。
枯れた蔦が窓を覆っています。

蔦がはがれかけていた。

窓が一面蔦の部屋。

屋根が雨漏りして床が腐っていました。
ツンと鼻を突く木造建築独特のカビの香りと、天井からはがれた枯れた蔦が、アメリアのホラー映画に出てくるゴーストハウスのような雰囲気を醸し出していました。

汚物処理室。
便器のようで便器ではない何かが置かれています。

何室か忘れましたが、角部屋は解放感があり、光が良く入り明るい雰囲気でした。
一面の窓と蔦!蔦!蔦!

再利用される事となったそうですが、老朽化の具合からか頓挫したのでしょうか。
月日は流れた今も、使われず残されていますが、着々と老朽化が進んでいます。

椅子以外の唯一の残留物。

あ、もう一つだけありました…。
なにがあったのかわかりませんが、柱に突き刺さった包丁が。
感想・まとめ
木造医院・病院は素晴らしい所が多いのですが、規模が小さい所も多く、建物の様式などが違えど医院という意味ではどこも似通っているため、そういった廃墟探索には食傷気味でしたが、やはり訪れてみると「良いよな~」とノスタルジーな気分に浸っていました。
西洋文化と日本文化が融合する大正時代に作られた病院です。西洋風の内装と日本の木造建築が融合した建物が醸し出す独特な雰囲気は、まるで大正時代の雰囲気をそのまま表しているような雰囲気でした。
建築も魅力的ですが、窓を覆う蔦がら漏れる緑の木漏れ日がとても神秘的で、素敵な空間を演出していました。


