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2015.10.05

紅葉の白山登山!砂防新道ルート-御前峰・お池巡り

白山・大汝峰から眺める御前峰

レジャー概要

両白山地 白山
標高 2703m
無積雪期・登山
天気 晴れ
コースタイム(CT)

06:17
‏‎‏‎別当出会駐車場
‏‎07:03
‏‎‏‎中飯場
08:01
‏‎‏‎甚之助避難小屋
‏‎08:27
‏‎‏‎南竜分岐
09:05
‏‎‏‎黒ボコ
09:34
‏‎‏‎室堂ビジターセンター
10:09
‏‎‏‎御前峰
10:56
‏‎‏‎翠ヶ池
11:19
‏‎‏‎大汝峰
11:50
‏‎‏‎千蛇ヶ池
12:11
‏‎‏‎室堂
12:52
‏‎‏‎黒ボコ
13:19
‏‎‏‎殿ヶ池避難小屋
14:34
別当出会

時間:8時間
歩行距離:15km
標高差:1601m


メンバー

tamura





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霊峰白山、大汝峰から望む御前峰と剣が峰は絶景。

本日やってきたのは霊峰白山。

北陸最高峰であり日本最西端の高山です。富士山、立山とともに日本三名山にも選ばれており、山頂は御前峰(2,702m)、大汝峰(2,684m)、剣が峰(2,677m)の三つのピークで構成されています。またそれらのピークに囲まれるように大小七つの池がありそれらを巡る事を「お池巡り」と言い、白山の見どころとなっています。

日本三名山に選ばれているのは

京都から250kmない位で最も行きやすい所なので関西からでも日帰りで気軽に行きやすい高山です。今回は別当出会からスタートです。交通規制のる区域ですが平日で解除中でしたので別当出会駐車場まで車で入っていきます。

別当出会の駐車場から別当出会のビジターセンター?まで10分ない位。

和の水洗トイレがあり、建物内に登山届けの紙と鉛筆が用意されています。

トイレ休憩と一息ついてさぁ出発です。ひとりで寂しいけど頑張るぞ!行きは砂防新道というルートを取ります。グラングラン揺れる吊り橋を渡ってスタートです。

最初の休憩場所は中飯場。最初の急な坂道で疲れた足を5分ほど癒します。

今回はひとりという事もあり、ペースも息切れしない程度にいつもより早めです。

過去数回の高山登山より、高山病の症状がほとんど感じる事がなかった為、休憩を少なめに(各ポイントで5分~10分)登ってみる事にします。

中飯場を超えると徐々に標高が上がってきて景色も良くなってきました。見えてるのは赤兎とかの方面です。
徐々にお目当ての紅葉が見えてきました。観光新道の尾根の紅葉がとても綺麗なってきましたよ~ん。
別当覗の展望地からみる観光新道の尾根。いや~紅葉がすばらしいです。こういうのを見に来たんですよ!
甚之助避難小屋手前の休憩ポイントからみる黒ボコ方面
甚之助避難小屋。ここで2度目の休憩をします。

いや~すごい所にありますね。ちなみに小屋の奥に見えているピーク?に黒ボコがありそれを超えると弥陀ヶ原という草原に出ます。あそこまで行けば目の前に御前峰の山体が大きく見え周囲の景色が一変します。

甚之助避難小屋は展望最高。別山~三ノ峰、チブリ尾根が見渡せます。

いやー高いですね。関西にはない重厚感。白山は活火山ですが、山体すべてが溶岩でできたものではなく、現在の日本がアジア大陸から分離する地殻変動を経て出来上がった1500~2000mの山体(丘陵)からマグマが噴出し蓄積され出来上がったのが白山です。(後述

甚之助から一息で南竜分岐に到着します。
あとは目の前、ひと登りで黒ボコ、弥陀ヶ原へ到着します。
しばらくトラバースが続き、突き上げる尾根へと向かいます。

振り返ると別山に雲がかかっていて焦りました。これはヤバイ…雲が上がってきてる!

下山者に「上は雲掛かってきてます~?」と訊ねると「今上がればまだ大丈夫!」と帰ってきたので、その言葉を信じて少々足に無理をかけてスピードアップ。

黒ボコ。もう周囲は真っ白やないか~い!

黒ボコは、新白山火山の噴火の火砕流によって流されてきたものと考えられています。ちなみに50年ほど前にはこの大岩はあと一つあり、1961年の北美濃地震で一つが転げ落ち粉砕しました。

黒ボコは砂防新道と観光新道との分岐地点となります。行きし砂防できたので、帰りは観光新道で帰ります。
弥陀ヶ原と御前峰。ここまでくると景色が一変、さすが高山やなぁと迫力に圧倒されます。雲が掛かってるのが残念です。
弥陀ヶ原の草原が神秘的です。
雲が履けてきて室堂までラストスパート。
草原上から。高山植物も赤く紅葉しています。
登り終えるとようやく見えてくるのが室堂のビジターセンター。ここまでくれば白山山頂はあと一息。
ようやく白山の大きさに見せつけられました。デカイ。

室堂で休憩し、御前峰まで一気に登っていきます。この登りはしんどいようですぐです。

あっと言う間に山頂到着。

山頂碑で記念撮影。皆さまで撮り合いな感じで、僕も何人かに頼まれて写真撮影をしたらお返しにと撮影して頂きました。おかげで三脚出さずに済みました、ありがとうございます!

室堂と白山比咩神社奥宮。別山や荒島などの方面は雲が厚くかかっていますが、それ以上は快晴です。

剣ヶ峰、大汝峰方面は空も澄み渡って綺麗です。

剣ヶ峰・北アルプス方面。北アルプスの山が一部みえました。
北アルプス 立山連峰の薬師岳(2,926m)
こちらも立山連峰、剱岳と、左が毛勝かな?
せっかく無積雪の白山まで来たので御池巡りをする為、下へ降りていきます。

剣ヶ峰を目の前に下っていきます。

剣が峰は剣が峰や大汝峰とは違い刺々しい印象を受けます。これは30~40万年の歴史がある白山の中で、2200年前という比較的新しい時代に形成されたものだからだといいます。

御前峰を見上げる。急坂を下ってきたので迫力があります。

剣が峰は剣が峰や大汝峰とは違い刺々しい印象を受けます。これは30~40万年の歴史がある白山の中で、2200年前という比較的新しい時代に形成されたものだからだといいます。

約5000年前前後は白山の山頂は現在の御前峰ではなく少し北の方にありました。その山頂は室堂から御前峰への斜面をもう少し伸ばしたあたり、つまり2800~2900mの標高がといわれており、その山頂部は東側の斜面へ大崩壊を起こし大白川の方まで岩屑が流れていきました。

崩壊後に残った一部が現在の御前峰と大汝峰で、その後も噴火は続き噴火口に水をたたえたのが現在の火口湖、溶岩が大白川方面へ何度か流出し、溶岩が流れた後に形成された溶岩円頂丘が剣が峰という訳です。また御前峰の北側斜面が急な下りになっているのは崩壊の跡という訳ですね。

紺屋ヶ池と剣ヶ峰。

なんだか周囲の岩が大きいからか写真やと池が小さく見えますが、実は池の横に人が写っておりまして、比較すると池が結構大きい事が分かります。

油ヶ池。雪解けの時期はコバルトブルーで綺麗だそうですが、秋にもなって雪が溶けて時間が経ったからかちょっと茶色で汚い(笑)

翠ヶ池と大汝峰。

1042年(長久3)、噴火により翠ヶ池ができたという記述があるそうです。また1547年(天文16年)から1659年(万治2)にかけて10回以上の噴火があったとの記録があります。全体的に見ると歴史時代(西暦)に入ってから300年前後の周期で白山の噴火記録があり、最後の噴火から360年ほどたってる今、そろそろ噴火があってもおかしくないといわれています。

翠ヶ池はまだ少し雪が残っています。
大汝峰も登っていきます。
10分位でしょうか、ちょっとデンジャーな登りもありまして、2,684m大汝峰に到着です。
山頂には大汝神社があります。
そしてガスが…。剣ヶ峰と御前峰を撮影するために来たのに…。こういう時はおにぎりをかじってじっと待つ。

デデーーーン。雲の間から姿を現しました。

大汝峰だけ少し離れた位置にあるので二つのピークがかっこよく見えるんです。

地獄谷方面。

白山は30~40万年の歴史から見ると古白山火山、新白山火山とに分けられます。現在の白山山頂と言われるのは新白山で、翠ヶ池などといった火口湖があり火口周辺には多くの噴石が散乱している事から激しい火山活動があった事を物語っています。

新白山からの噴火は多くが室堂や大白川など南部~東部にかけて溶岩を噴出しましたが、広範囲の調査から見ると現在の新白山からではない所から噴出したと考えられるものがあります。

それが写真の地獄谷方面を中心とした場所で、かつては崩壊前の新白山より高い3000mを超えた山体があったと考えられています。現在その場所は標高1500mほどまで深く掘り下がっておりとても過去に3000mの山があったようには想像がつかないですが、長い年月を経て跡形もなく浸食されてしまい、現在の山体が新白山として残りました。

下山して千蛇ヶ池。ここは万年雪だそうです。

この池は後の記事に出てくる蛇塚と関係があります。白山を開山した泰澄という人物と、昔白山に住んでいた3000匹のおろちの伝説です。

昔、白山には3000匹と言われるおろちが住んでいました。おろちたちはふもとの村まで下りては畑を荒らしたり家畜を襲うなど悪い事ばかりをしていました。

このおろち達の行いを知った泰澄は3000匹のおろちを集め、悪いことをしないよう諭しました。そのうち1000匹は山頂の池に住むように言いつけ、1000匹のおろちが入るとその上から万年雪のふたをしてしまいました。今も万年雪の下はおろちが住んでおり雪が解けておろちが出そうになると池の上にある御宝庫(写真池の後ろの山体ピーク)が崩れ落ち池にふたをしてしまうようにしたそうです。

残りの2000匹のうち1000匹は、刈込池に住むように言いつけこの刈込池の北側にある剣ヶ岩(1,670m)の大岩に剣をさし池に写す事で池に棲むおろちを封じ込めました。残りの1000匹については蛇塚の記事にて(後述

お池巡りコースは雪渓の方へはいかずショートカットルートで室堂へ向かいます。
高山植物の紅葉が綺麗ですなぁ。
室堂からの白山。やはり迫力がある。ここで食事休憩をとって下山します。
弥陀ヶ原の草原もガスがかかって神秘的になっていました。
黒ボコの分岐は観光新道へ。

蛇塚に到着。

こちら千蛇が池のおろち伝説の続きですが、3000匹のうち残りの1000匹についてはどうしても言う事を聞かなかった為、この地におろちを埋めて沢山の石を積み上げた所と言われています。

天気がよかったら最高やろうなぁと思いながらポンポン下っていきます。
目の前真っ白…こんな細い所下っていくの怖い。馬の背というらしい。
ガスの領域を超えると下の景色がよく見えてきました。
いまから下っていく方面になにやら面白い尾根が。
谷の方の紅葉ももうすばらしい。
白山釈迦岳方面もかなり迫力がある。
大岩まできたら3km地点。別当出会まであと3km。
歩きやすいが、横をみると砂防新道側の尾根がだいぶ低い位置に。嫌な予感。これ一気に下るやろ。
別当分岐。これをまっすぐ行くと市の瀬に向かいます。別当に行くのでここは左に。
おお…凄い下り…。一気に標高を下げていきます。
沢の音が聞こえてくるとすぐ別当出会に到着しました。「お疲れ様です~!」言う人も居ないのでひとりでぼそっと呟く。

感想・まとめ

初めての一人高山に選んだ霊峰白山。以前から気にはなっていたもののなかなか機会がなく、さらに御獄の噴火の事もあり親や親戚に「火山はお願いやから行かないで」と言われ、富士山でもボチボチ怒られてた所でしたw。

今回は「今度行く山、火山やねんけど最後に噴火したんが万治2年やから許して!」と親に登山許可を要請。「万治ていつやねん!」と言われつつも紅葉時期のいま行けば絶景が見れると意気揚々と石川へ向けて走りました。

もちろん運頼みにはなるものの、記事中に一部(歴史の部分)ですがさっと盛り込みましたが勉強をしまして、なぜ白山が危ないのか、どのように危ないのか、念のための最低限の準備などをした上で白山登山に挑みました。

正直、2700m級の山であればアルプスのほうが凄いやろうとあまり期待していなかったのですが、予想を凌ぐ大絶景が待ってました。紅葉はもちろん山頂の雰囲気や池などやはり高山はいいなと感動しました。

白山周辺の山にも興味を持ったので機会があれば別山や三ノ峰、経ヶ峰、赤兎なども挑戦してみたいです。

山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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