古都コトイメージSmart

2014.09.13

南アルプス 北岳・間ノ岳 – 大絶景の3000m稜線を歩く

間ノ岳から見る北岳

レジャー概要

南アルプス 北岳、間ノ岳
標高 3193m、3190m
無積雪期・縦走
天気 ガス・晴れ
コースタイム(CT)

‏‎6:41
‏‎‏‎広河原
6:56
‏‎‏‎広河原山荘
7:19
‏‎‏‎白根御池分岐
‏‎11:37
‏‎‏‎八本歯のコル
‏‎11:38
‏‎‏‎山荘トラバース分岐
13:38
‏‎‏‎北岳山荘
3:30
‏‎‏‎北岳山荘
‏‎5:21
‏‎‏‎間ノ岳
6:47
中白根岳‏‎‏‎
7:14
‏‎‏‎北岳山荘
10:09
北岳‏‎‏‎
10:52
‏‎‏‎両俣分岐
11:01
北岳肩の小屋‏‎‏‎
11:19
小太郎尾根分岐‏‎‏‎
‏‎12:27
白根御池小屋‏‎‏‎
14:05
白根御池分岐‏‎‏‎
14:20
広河原

時間:18時間
歩行距離:22km
標高差:2630m


メンバー

tamura





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北岳-間ノ岳間の3000m級の稜線を歩く

今回は南アルプス、日本第二位の高峰北岳、そして三位の間ノ岳に登ってきました。

今回は夜景や廃墟でよくご一緒させて頂いている静岡夜景Nightwalkの管理人・権田さんとの山行です。

超満員だった芦安の駐車場から超満員のバスにグラングラン揺られやっとの思いで到着した北岳登山口のある広河原(ひろがわら)。

当初草すべりルートで北岳に登り山荘に降りる予定やったのが、人がおおいので左俣ルート(大樺沢)で山荘へ直行し、まともなテント場所を確保するのを優先する事に。

北岳登山ではお馴染みのこの吊り橋。グラングラン揺れるのでビックリしました。

はるか遠くに北岳が見えています。今からあそこへ行くのか~!

北岳はキツイ!

皆、口を揃えていいますが、最初は結構楽。

どこからキツイんやろうぐらいの気持ちで歩き始めです。

白根御池の分岐。

左は大樺沢を進む左俣コース右は御池小屋・草滑りのあるコース

先ほど説明したとおり、あまり遅くに山荘につくとろくな場所に寝れなくなるので大樺沢コースからまっすぐ山荘へ向かう事に。

 谷に入ってきました。雄大な景色が見えてきてやる気も出てきます。

ハァハァ…。しんど。

はるか遠くに人が見えるのであっこまでいくのかと気が遠くなってき、いや、俄然やる気が出てきました。

後ろを振り返ると鳳凰三山のうち、高嶺・地蔵岳が頭を出していました。

だんだん傾斜が強くなっていきます。稜線は雲の中。
雪渓が残っていました。
北岳が真上に見えてきました。
ここあたりからだんだんと足やられてくる。

一段落すると階段が出現。この段差が大きくきつい。

かなりゆっくり歩いているのにそれでも後ろの人とだいぶ差がつく。

雲に包まれた岩稜が神秘的。

やっとの思いでついた八本歯のコル。

皆ここが山頂かのように喜んでいる様子。

たしかに尾根に出たというだけでも嬉しい。

八本歯から北岳は約1時間半。

今回は雲の様子もあり山頂へは行かず山荘へ直行し一泊します。

ここからは階段とガレ場続き。高山病の症状が出ない為に息切れしないように歩きます。

トラバース道分岐。

ここ手前の登りが一番空気薄くて辛かった。

ここからはトラバースで体力も大げさに使わずそのまま山荘に向かって寝るだけでしたので。

ここから山荘へ向かいます。ゆく先は雲の中。
思っていたよりデンジャラス。
頑張れ権蔵さん!
それを超えると稜線と合流します。雲が掛かってきていますが迫力は満点。
北岳山荘に到着。既に多くのテントが張ってあります。

急いで手続きを済ませ田村家北岳別荘、権田家北岳別荘を幕営。

テント場はここだけ岩場に囲まれており風の影響を受けにくく、他のテントから離れた場所なのでベストポジションを確保できラッキーでした。まっすぐ山荘へ向かってよかった。

ちなみにテントではなくシェルターですが、シェルターでシュラフ+SOLの非常用シュラフをシュラフカバーとして寝てたのですが氷点下の中、寝汗かくほどポカポカでぐっすり寝れました。SOLのシュラフはかなり使えます。

これ以上寒く積雪があると通気性のないシェルターは危険で使えなくなるので使用はこれぐらいがギリギリでしょうね。

ちなみにテント幕営代は800円/1張です。小屋泊すると5,800円なので、5800円払うか、重いもん我慢して持って800円で済ますかというところ。

重くても自分の空間のあるテントがいいよね!

さぁ安心した後はゆっくりタイム。本を読んで過ごします。

シェルターから見る空。心地いい風を受けながら至福の時を過ごします。うふふ。

あたりが暗くなる前に北岳を拝みながら食事を。

山荘でビールを4本(1本500円)購入し釜飯を炊いてつまみながら飲みます。

そして腹いっぱい食べてまだ外が明るいうちから明日に備えて就寝です。

夜8時頃、ふと目が覚め外に出ると夜空に浮かぶ無数の星。

適当に撮影しただけで星の苦手なOlympusがこれだけ星を写してます。月が出ていないせいで一面に気持ち悪いぐらい星が見え、真ん中にはくっきりはっきりと天の川が見えました。

これが本物の夜空という物なのかとビックリ。あまりの星の数、明るさで星座なんて全くわからない…。

そして夜三時に起床。間ノ岳で日の出を見るためにこの時間から準備をして出発します。

先ほどの星空はどこへやら周囲は雲に包まれ何も見えない。地図・コンパスとトレースだけを頼りに間ノ岳を目指します。

あと少しで間ノ岳という時に、空が明るくなり始めたと思ったら雲が一気に消え、目の前に間ノ岳まで続く綺麗な稜線のトレースが現れた。

あまりの迫力に鳥肌がたち、東の空を見ると日の出前のトワイライト、甲府盆地の夜景、富士山が頭をだしました。

「霧の中は何も見えないが頑張ればそのうち霧が晴れ進むべき道が見える!」

と誰もが一度は聞いた事あるようなセリフは山で生まれたのかな!なんて。

この景色を見るために今回南アルプスに登ったのでめっちゃ嬉しい。

そしてついに間ノ岳制覇!!!

雲海富士とツーショットです。やーめっちゃ嬉しいなぁ~~。

南側は南アルプス南部が一望できます。

農鳥岳や塩見岳など他の3000級の山が小さく見えます。手前に見える一番近い山塊が農鳥でしょうね。となると左のピークが農鳥岳(3,026m)、右側が西農鳥岳(3,051m)です。その奥にケツアゴみたいに割れてるケツアゴ兄弟は分かりやすい。左が悪沢岳(3,141m)と右が赤石岳(3,120m)。その手前、ぴょこっと一座出てるのは塩見岳(3,047m)です。

三角点から。

左から、仙丈ケ岳(3,033m)、甲斐駒ヶ岳(2,967m)、蓼科山(2,530m)、北岳(3,193m)、赤岳(2,899m)、鳳凰山(2,840m)と百名山が並んでいます。

大迫力に感動です。
そして後ろを振り返るとなんと富士山の影が!中アの恵那山に重なるようにして見えています。
そして東の空には雄大な富士が雲海から頭を出していました。すごい…これを見たかった!大感動。
北岳山荘に帰ります。デポしたテント等を回収し、北岳に向かいます。
3000mの稜線歩きは気持ちがいい。北岳がかっこよく見えます。北岳の左は甲斐駒、右側が鳳凰三山。
カッチョえーなぁ!
中白根山。
富士山が雲隠れしそうだったので最後に中白根山山頂から撮影しました。
あとは真正面に見える北岳。
僕らのテントと間ノ岳方面。ようやく山荘です。長かった。
テントをかついで再出発。
岩場に注意しながら登っていきます。
振り返って山荘~間ノ岳。
北岳山頂目の前まできました。きっついけどあと少し!

ついたー!国内標高第二位の山、北岳(3,193m)です。

左から順番に知らないオバハン、仙丈ヶ岳、権田さん、看板、田村、知らないおっさんです。

三角点等のあるこの場所は標高3,192.6mで、すぐ北側にある岩の上が最高点の3,193m。もちろん乗ってきました。

三角点。三等三角点・白根岳と登録されているようです。
こっからはあとは下るのみ。ようやく下山です。
北岳肩の小屋が見えてきました。山荘や小屋ってかっこいい。

肩の小屋から見る北岳。

ここが標高3000mなのでここで3000は終了。また3000行きたいな!

小屋からは仙丈ヶ岳がでかでかと見えます。向こうのほうが高そうに見えますが、大体同じ位の高さ。
小太郎尾根。
草滑りから見る昨日登った大樺沢。ものすごい坂だという事がわかります。

ひたすら下っていくと白根御池小屋に到着。

漂うカレーのめちゃくちゃ美味しそうな匂いに打ち勝ち再出発。

帰ったら絶対カレーを食べようと決意。

ここからしばらくトラバースが続きますが、トラバース中に若干の登りがあるのが地味にキツイ!

トラバースが終わり下りが一番きついかという時に出会った地元のおじいちゃん。17~8の頃から山登りをされているらしく、もう50年以上のベテラン。

若い頃はピークハント、今は山を歩く事自体が楽しい

という言葉は名言でした!

ひたすら急な尾根を下るとやっとの思いで最初の白根尾池小屋分岐に到着であと少し!。

広河原のバス停。やっと終わった…。

長かったですが北岳・間ノ岳に立てた感動、見てきた素晴らしい景色は一生忘れる事はないでしょう!

また南アルプスの他の山に来たいなぁ~。

感想・まとめ

北岳や間ノ岳は富士山に隠れ、山好き以外の方は知らない人も多いでしょう。

北岳~間ノ岳に向かう稜線はほぼすべてが3000m以上を維持しており、日本一高い稜線で知られています。

山の魅力の一つとして、山頂から眺める景色はもちろんであるが、稜線から眺める景色も重要ポイントでしょう。この稜線はすべてが森林限界以上に位置する為、展望がとてもよく天空散歩をしてる気分にさえしてくれます。

また広大な間ノ岳の山頂からは、南アルプス全体、中央アルプス、御嶽、北アルプスといった展望があり、何より目の前に見える北岳の迫力や、間近で見る雲海から顔を出す富士などは最高でした。

広河原から北岳までのルートはとてもキツくて大変ですが、もう一度行ってみたい所です。

山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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