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2014.12.21

一龍旅館 – 池の畔に佇む廃ホテル

一龍旅館の廊下

この廃墟について

一龍旅館とは、大阪府貝塚市に存在した旅館。正式名称は「国際ホテル一龍」といい、水間公園に隣接した三ツ池のほとりにあり、古くから心霊スポットとして知られていた。その為、関西広域において幅広い年代で認知度は高い。

開業年数は所説あるが1959年頃という噂がある。1989年頃には閉業しており、経営者が自殺した等の噂があるが真実ではなく、日本各地に似たような噂をもつ廃墟が点在しており、それに肖ったもの。

日本における心霊ブームの初期から知られており、心霊系の個人HPが出現し始めた1999年~頃からこの旅館についての記述がある。近隣で廃墟として有名だった貝塚結核病院と同じく、2015年に解体された。



廢墟レポート vol.18:一龍旅館 Ichiryu Hotel

貝塚市水間駅に降り立った。貝塚の廃墟と言えば言わずと知れた一龍旅館(正式名称:国際ホテル一龍)。

このホテルが建築されたのはいまから約56年前の昭和34年の事。貝塚の観光地水間寺の近くという事もあり順調なスタートを切ったが約40年前に廃業。理由は諸説あるが経営者が一家心中、宿泊したカップルが服毒自殺など単なる噂でしかない。それ以降40年にも渡って心霊スポットとして有名だった。

当時は水間公園と隣接していたほどの規模だったが現在は本館が残るのみで元の大きさの1/3程度の規模になっている。

水間公園に入ると、あちらこちらから猫が現れ近寄ってきては足に擦り寄る。

食料はもっていない為、すぐにがっかりしてどこか行ってしまうだろうと思いきやいつまでたっても離れようとしない。餌をねだるというより人間と戯れたいのだろうか。

猫好きな弟はたまらず猫を触る。弟がしゃがむと猫は自ら膝の上にのり寛ぎ始めた。

「野良は雑菌持ってるからやめた方がいい」と忠告したものの、あまりの可愛らしさと猫愛が強すぎて無視できないと言い放ち2匹の猫を抱き抱え恍惚の表情をしていた。

周囲ぐるっと回ってみるが、猪の罠がある為森には入るなという看板があちらこちらに貼られている。場所が場所の為罠は嘘かもしれないが、なにがあるか分からないのでたかが廃墟の為にそんな冒険はできない。どこか別の入口を探す。

公園の管理所?周辺は誰かいたら困ると思い避けていたが、どうやら管理所の横からハイキングコースに入れた。ここから入っていきます。

ででーん。国道から見えていたあのホテルそのものだった。

こちらにも猪の罠の警告があるが明らかにホテルまで足跡が続いている。問題なく入る事が出来た。

入口手前にある小部屋にはジョンソンと書かれた大きな機械が。
こちらがホテルの入口。長年やんちゃな若者達の相手をしてきた事によりかなりボロボロ。

入ってみるとかなり暗くて沈んだ空気が漂う。やはり心霊廃墟というのはこういうものでないと。

所々に放火されたような焼けた跡がある。
天井のいたは風化により天井から剥がれている。
本館から飛び出たアーチ部分。下は池になっているので気をつけて渡る。
アーチ部分からの景色。
壁には1989年と記念に刻まれていたり、さらに古いものもあった。
アーチの真ん中付近に一つだけ部屋がある。この旅館で唯一まともに壁紙が残っており、柄もいい感じ。
階段を上がり二階、三階へと行ってみる。赤い階段の布が残っており、上品な旅館だった事を連想させる。
2階も廊下、客室は似たような感じ。
部屋と部屋の間にあるこの空間は何?
三階へと上がる階段の踊り場はちょっと天井が低くなっている。結構独特なつくりみたい。
三階は最もダークな雰囲気。これこれ!いいですね~!おどろおどろしさ加減が美しすぎてかっこいい!
最上階だけ他の階とは違ってちょっと広くてリッチな感じ。
1,2階の風呂場は狭く暗いが最上階のトイレは広く外向きに作られている。さらにバルコニーもついており外でのんびりくつろげたのだろうか。
トイレのスペース。
今は草木が生え自然に戻ろうとしている。
廃墟はこれくらい風化してくれば新しめの廃墟散策とはまた違ったワクワク感がある。建物の中なのに植物が生えてきて木の床は腐ってコケも生えて…まるで人が居なくなった世界のよう。
三階最奥にある部屋。この部屋だけ部屋全体が焼けたような形跡がある。全ての部屋の中で一番広く天井も高い。きっと若者のたまり場として使われ放火されたのだろう。
バルコニーに出てみた。草木のせいで国道はよく見えなかったがあまり長居はしたくない。
ハイキングコースにあるし解体しにくいんやろうなぁ。トレーラとか入ってこれへんしね。ホテル系の廃墟はそういうところに立ってる事が多いから長年放置されてる事が多いのかな。
山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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