平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。
2016.01.03
Z医院 – 明治の建築美に惚れて
廃墟の情報
Z医院
廃墟医院
場所 長野県
建築 1909
廃墟化 1980
解体 2018
廢墟レポート vol.29:Z医院 Z-Clinic
夜中高速を走らせ到着する頃には夜が明けていた。車から出ると白い息、遠くにはアルプスの山々が雪をかぶっていた。
今回やってきたのは明治42年(1909年)に開院した通称「Z医院」という名で知られる廃病院です。
開業以来先祖代々により受け継がれてきたようですが昭和55年(1980年)に廃院、現在は市街地の方へ移動されて名前を変えて病院を経営されています。
すぐ交番が近くにありますので不法侵入には注意です、今回はこの建物の管理者の関係者の方に許可をいただいて撮影させていただきました。
こちらがその病院。さすが歴史のある建物だけあって改築に改築を重ねたような外観です。
2000年前後にはすでに廃墟として地元では知られていたようです。
中に入るとお屋敷という雰囲気です。外見からは想像のできない洋風な雰囲気です。
最初の部屋は診察室でした。
なんとも上品な空間です。窓の形がおしゃれですね。こんな空間で診察されてた時代があったんですね。なんか異世界に来た気分です。
診察台もあります。いや~いいなぁこの部屋。
非現実的な世界に感じますが、ここで実際に先生が座って診察してたんですもんね~。丸眼鏡をかけたオシャレな先生が机で作業、聞こえるのは時計のカチカチという音だけ…。現役の頃はこんなんやったんやろかと妄想しながら撮影していました。ノスタルジックというよりはロマンチックというのが似合うのかもしれません。
反対側から見た様子。
机、いす、扉、窓すべての作りがいいですね~
診察台
残留物も多く残されています。
眼鏡。歴史上の人物がかけてるような丸眼鏡。新渡戸稲造やガンジー、ジョンレノン、滝廉太郎…あ、ハリーポッターも似合いそう。
薬も多く残っています。
昭和30年の診察表です。表の後ろの字なんかもう達筆すぎて読めない。
この病院がZ病院と呼ばれている由来。
顕微鏡
別の部屋にはミシンがありました。
ミシンの部屋。おかあさんの作業部屋といった感じ?
そして、僕がずっとあこがれていた理由のこの階段。
やはり実際に見ると感動します。美しすぎる!朝日が差し込んできていい感じです。
いやーここが一番撮影大変やったかも。美しいのですが、撮影が難しい。
何度撮影しても満足できない!
手摺子のデザインがまた一工夫あって、上品さと力強さがあっていいんですよね~。
2階の廊下。2回は主に住居環境になっている模様です。
立派な扉。以前この扉は「コノ扉ヲ開ケテハイケマセン」的な張り紙があったのですが今はもうなくなっています。
院長の部屋?応接室?とても立派な部屋がありました。
大量の本と写真とか。すばらしいお医者さんだったんでしょう。
他の部屋は子供部屋がありました。
寝室。至って普通の和室ですね。
応接室?シンプルな部屋です。
これも。
下へ降りる階段を発見。狭いけど降りてみます。
そこに広がっていたのは手術室。
かっこいい~!
なんとも言葉にできない感動・・・
この手術台がかっこいい。
天井は日の光がサンサンと降り注ぐ仕様になっています。
こちらの裏部屋にも残留物があります。
感想・まとめ
なんとも不思議な廃病院です。手術室の天井から光が差し込むようになってるものや、手術室へ降りる大人では結構キツめのらせん階段。増築を繰り返してきたような外観や、何より昭和30年代などのいまだに残っているとても古い書物など。とてもおしゃれな洋風な所もあればガッツリ和室もある。見どころが多く、現在までこれらが残っているのが奇跡なものばかりです。
診察室からレントゲン?のような部屋、手術室や住居スペースまでぎゅっとつまった廃墟です。すばらしいの一言です。廃病院というと結核病院や恵心病院など不気味さを連想しますが、こちらは全くそのような事はなく古き良き時代の温かみのある廃墟でした。
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