古都コトイメージSmart

2019.01.07

【夜景の謎】神戸の夜景が1000万ドルと呼ばれる理由

○○万ドルの夜景という表現とは

 

「○○万ドルの夜景」というその展望地に対してのキャッチフレーズは全国各地でよく見ますが、何が○○ドルなんでしょう。また、その起源は一体なんなのでしょうか。

初めて、その看板を背負った都市は「神戸」で、おおよそ60年以上前に六甲山から眺める大阪-神戸間の夜景の規模を分かりやすく言葉に表すために「六甲越有馬鉄道(現・六甲摩耶鉄道)」により発案・使用されたキャッチフレーズでした。

当初は英語圏などで立派なものや素晴らしいものにつける「百万ドルの○○」と呼ぶ習慣にちなみ、「神戸100万ドルの夜景」と呼ばれるようになりました。ちなみに、当時の神戸の電灯の数はおよそ496万個だったそうでその一か月の電気代が100万ドルだったそうで、100万ドルとは当時の価格でいうと、3億6000万円に相当します(1ドル=360円)。そして、神戸の100万ドルに対抗するように長崎や函館にもその名が使用されるようになりました。

神戸が100万ドルから1000万ドルへ昇格

100万ドルがうたわれてから時代は進み1975年。神戸の光が増えたことや、1ドル=360円が変動し、アメリカの物価が急激に上がった時期でもあり100万ドルは1000万ドルと言われるようになりました。

ちなみに当時の1ドルは約260円前後。1000万ドルは単純計算で26億円となります。

2005(平成17)年に、六甲摩耶鉄道株式会社が「回る十国展望台(現・六甲ガーデンランス)」から見える「28市町村」の「350万世帯」一般家庭の電気代を1日あたり220円と想定して1ドル110円で換算すると約700万ドル(7億7千万)という計算に。それに加え電力会社が試算したオフィスなどの電気代約300万ドル以上の電気代を加算すると1000万ドルを超える計算となった為、胸を張って1000万ドルを語れるようになりました。

北九州皿倉山からの夜景は100ドル!

 九州を代表する夜景スポット・北九州の皿倉山はなんと「100億」ドルの夜景と自称します。六甲から見える神戸と阪神~大阪という約1000万人以上が居住するエリアの夜景が「1000万ドル」と謳っているのに、人口が100万にも満たない都市がなぜ100億ドルなのか!?

これは皿倉山のある北九州市八幡東区役所が1996年に市民に夜景の鑑定を依頼した所、極端に巨額に設定した投票があったことから「100億ドルの夜景」と言われるようになった。ちなみにこれを当時のドル換算すると「1ドル=104円~116円」平均して110円とすると、なんと1兆1000億円というセネガルやジャマイカなどの国の年間の国内総生産並みの金額がはじき出されました。

ちなみに九州電力(福岡県、長崎県、大分県、佐賀県、宮崎県、熊本県、鹿児島県)および広島県の一部を事業地域とする)の年間の売上高が1兆3875億1700万円らしいですから「何を言うとんねん」という話です。しかしそうではなく、北九州は電気代と関係なく「市民の目」が判定した金額という事ですので、北九州の100億>神戸100万ドルというわけではなく、気持ちの問題だったんですね。

さらにちなみに、世界新三大夜景に選ばれた長崎市は1000万ドルと神戸と対等な数字で争っていますが、詳細は分かりませんが北九州と同じような理由ではないかと思われます。

山と終末旅の管理人について
たむ - tamura -
平成3年生まれ、京都に住んでいます。登山や、夜景、人の少ない観光地へ行って、現実から逃げ、非日常的な体験をする事が好きです。

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